エラリー・クイーン編
ちょっと前に、ホームズのパスティーシュをいくつか読んだ話を書いたが、エラリー・クイーンが編集したこの「シャーロック・ホームズの災難」もその筋では有名らしい。
が、前回見送ったのはこのタイトルがどうも気にくわなくて(笑)
ところが、古本屋で「下」を見つけた。原題を見てみたら
"The Misadventures of Sherlock Holmes"
である。つまりは
「シャーロック・ホームズの冒険」"The Adventures of Sherlock Holmes"
の"Adventures"に"Mis"をつけた、なかなか洒落たタイトルだったのだ。(Misadventureの意味は、災難、不運,不幸)そうなると現金なもので、ユーズドで「上」も取り寄せてしまったりする(笑)
ざっと目次を見てみると、ルブランの「遅かりしホルムロック・シアーズ(シャーロック・ホームズ)」やクリスティの「トミーとタペンス」等、ミステリー・ファンにはお馴染みの作品が入っているのが、逆に新鮮に感じられたリする(笑)
で、未だ未読なのだけれど「トミーとタペンス」の「婦人失踪事件」"The Case of the Missing Lady"(ハヤカワ版「おしどり探偵:婦人失踪事件」創元版「二人で探偵を:婚約者失踪の謎」の冒頭を読んでみたら・・・?????なんか違う。
よくよく調べたら「桃色の真珠事件」(ハヤカワ版)「桃色真珠紛失の謎」(創元版)の冒頭と「婦人失踪事件」を繋げているのだ。これはどういうことだ?
1.「桃色の真珠事件」の冒頭に「バスカヴィル家の犬」が出てくるので、このアンソロジーの趣旨のために、クィーンが勝手に(もしくはクリスティに断って)「婦人失踪事件」にくっつけた。(「婦人失踪事件」がホームズ風の事件)
2.元々雑誌に発表された(のかどうかもわからないが)時はこの構成で、クィーンはそこから収録し、クリスティが短編集にまとめる時にエピソードを分解した。
どちらかだとは思うが・・・・
まあ、探偵事務所に依頼者が来る直前の部分なので、直接的な違和感は無いのだが・・・・気になる。