パッパーノ指揮 ロンドン交響楽団(1996)
マグダ:アンジェラ・ゲオルギュー
ルッジェロ:ロベルト・アラーニャ
他
今まで聴かなかったプッチーニを聴くシリーズ(いつから?)であるが「西部の娘」の次作にあたるこの作品は、当初から評判がよろしくなかった。
曰く「椿姫」プラス「こうもり」である、とかストーリーに起伏が無いとか。
しかし、元々はオペレッタとして構想されていたこの作品も、最近は再評価が進んでいるようだ。
富豪のかこわれもの、高級娼婦(椿姫ね)マグダは、身分を隠しお針子の姿でルッジェロと愛し合うが、結婚を決心するルッジェロに対し、自分の穢れた正体を白状して、彼のために身を引いてゆく。この間にオペレッタ的なユーモラスな場面がいろいろと入っている。まあ、ヒロインが死なない椿姫かな。
録音があまりなく、そんな中でも(再評価が進んでいるという事で)最近の録音が多い。ゲオルギュー、アラーニャの黄金夫婦コンビの盤が比較的入手しやすかったので購入。
繰り返しになるが、元々オペレッタとして構想されていたということで「西部の娘」のような大胆な和声実験的なものは無く、ごくごくオーソドックスなプッチーニ節で、全体としてかわいらしいというか魅惑的なオペラに仕上がっている。
しかし、他のプッチーニ作品と比べてしまうと、若干インパクトに乏しいのは否定できないな。
ゲオルギュー、アラーニャ夫妻はたぶん当時全盛期であろう。間然するところが無い。ゲオルギューは高音部がポップやヤノヴィッツを思わせることろがあって個人的にはうれしい。