R・シュトラウス 交響詩「ドン・ファン」 4種

R・シュトラウス 交響詩「ドン・ファン」
フリッツ・ライナー指揮 シカゴ交響楽団(1959)
フルトヴェングラー指揮  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1954)
クナッパーツブッシュ指揮 パリ音楽院管弦楽団(1956)
トスカニーニ指揮 NBC交響楽団(1951)
「リヴィング・ステレオ」であるが、比較的短い曲だし、せっかくフルトヴェングラーやクナや、トスカニーニも手元にあるので聴き比べてみる。
R・シュトラウスの交響詩というと、どうしても「洗練され過ぎた通俗曲」というイメージが個人的にはあるのだが、この「ドン・ファン」は、最初の交響詩ということで、後年のものよりストレートで泥臭い。しかし、個人的にはこちらのほうが心に響く。
ライナーは終始早めのインテンポの全力投球、導入部はワーグナーの「ローエングリン」第3幕への前奏曲のような勢いだ。
フルトヴェングラーは、もっとゆっくり始まり、各部分部分を丁寧にロマンティックに弾かせる。その分場面の羅列に聴こえてしまい、1曲としての統一感に欠ける気がする。
クナッパーツブッシュはさらにのっそりとはじまるが、推進力はある。1曲としての統一感がある分フルトヴェングラーより分がいい、というか、クナの芳醇な演奏を聴くとフルトヴェングラーのロマンティシズムも薄っぺらく感じてしまう。まあ、これは私がクナ・ファンであるが故のひいき目の可能性はある。
トスカニーニは意外にも、最も作為の無い、のびやかで自然な演奏である。この中から(ってせまいな((笑))理想的な1枚を選ぶならトスカニーニかもしれないが、やはり音は若干悪い。