ハード・ロックとヘヴィ・メタルの話の続き
先日の話で
http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2013/12/24
レッド・ツェッペリンとディープ・パープルが、ハード・ロックの二大潮流と書いたのだが、厳密に言うとブリティッシュ・ハード・ロックの話で、アメリカンハード・ロックとなると、また話が違ってくる。
ブリティッシュ・ハード・ロックは、ブルースやサイケ(クラシック)が母体ということで、かなり長めのインプロヴィゼーションがフューチャーされている場合が多い。
アメリカンハード・ロックも、60年代終わりのグランド・ファンク・レイルロードあたりだと、やはりブルースが母体なので、インプロヴィゼーションは長めだが、70年代中盤にさしかかるあたりのキッスやエアロスミスあたりになると、インプロヴィゼーションは歌や曲の添え物(って言い方も変だが)で、主体はあくまでも歌であるパターンが出てきて、これがアメリカンハード・ロックの主流になる。
以前にも書いたが、私にとってはキッスはリアルタイム(高一)で、このメイクでシンプルなロックンロール、という事も衝撃だったが、何よりも今までハード・ロックというものはツェッペリンやディープ・パープルのようなものだと思っていたから、2,3分、せいぜい長くても5分というコンパクトな曲ばかりのキッスは逆に新鮮に感じたものだ。
さて、リアルタイムでは「地獄の軍団」どまりだったキッスを、最近はまたちょこちょこ集めだしている話は書いたが、キッス アライブ3というライブアルバムがある。1992年の録音だが、この時期のキッスはノーメイクの「メタル期」と言われる時期で、初期の曲も何曲かやっているのだが、それを聴き比べると、バード・ロックとヘヴィ・メタルの音質の違い、弾き方の違い等が良くわかると思う。
1975年のキッス・アライブの「デュース」
1992年のキッス アライブ3の「デュース」
再メイク後、意識的に初期の演奏スタイルに戻した2003年のキッス アライブ4の「デュース」
ギターはエースではないが、メイクもギターフレーズもエースを踏襲している。
イントロのMCを含めて、観客が歌詞も暗記しているところが微笑ましく、またこのバンドの歴史の長さを感じる。