ストラヴィンスキー オペラ「夜鳴きうぐいす」 オペラ「マヴラ」

ストラヴィンスキー オペラ「夜鳴きうぐいす」
ストラヴィンスキー指揮 CBC交響楽団(1960)
ナイチンゲール:レリ・グリスト
管弦楽曲は「セリー主義」まで来たが、ストラヴィンスキーの自演BOXには、まだまだ他のジャンルが残っている。
のちに交響詩に編曲されたオペラ「夜鳴きうぐいす」であるが、第1幕が「原始主義」以前のロマン派の影響下、第2幕以降が「原始主義」と、スタイルに統一性がないが(交響詩に編曲されたのは第2幕)ストラヴィンスキーは第1幕を作曲しなおす事はあえてしなかった、との事。
元ネタはアンデルセン、舞台は古代中国、皇帝の病を癒すためにナイチンゲールが美しい声でうたっているが、日本から機械製のナイチンゲールが献上され、皇帝は双方の対決を画策するが、本物のナイチンゲールは去ってしまう。死神に魅入られた皇帝の元に再びナイチンゲールがやってきて死神を追い払う。
前述のとおり、途中でスタイルが変わるが、第1幕を導入部と捉えると、そんなに違和感はない。

前にも書いたがストラヴィンスキーの声楽関連は、アヴァンギャルド・ロックの先取りみたいなところがあって、個人的には親しみやすい。
レリ・グリストのコロラトゥーラもうれしい。

 

ストラヴィンスキー オペラ「マヴラ」
ストラヴィンスキー指揮 CBC交響楽団(1964)
プーシキンの短篇「コロンナの小さな家」に基づく、1幕もののオペラ・ブッファで「新古典主義」時代である。
娘が女中が亡くなった自分の母親の元に、女装させた自分恋人を女中として雇わせる話だが、なぜ娘がそんなことをしたのかよくわからん。
作風は新古典主義の時代だが、躍動感のある、なかなかに楽しい現代音楽。