プフィッツナー「パレストリーナ」

プフィッツナーパレストリーナ
クーベリック指揮 バイエルン放送交響楽団&合唱団(1973)
ニコライ・ゲッダ(テノール
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウバリトン
ヘレン・ドーナト(ソプラノ)
ブリギッテ・ファスベンダー(メゾ・ソプラノ)
カール・リッダーブッシュ(バス)
ベルント・ヴァイクルバリトン
ヘルマン・プライバリトン
フリードリヒ・レンツ(テノール)、他
テルツ少年合唱団
プフィッツナーの代表作「パレストリーナ」は録音が極端に少ない。3時間半の上演時間がネックなんだろうが、DVDも2009年にやっと現代版の演出のものが発売されただけ。発掘音源では過去の音源も発売されているが、実はオフィシャルとしてはこのクーベリック盤が世界初の全曲録音だそうだ。配役は豪華の一言に尽きる。
以前に感想を書いた事がある、ルネッサンス音楽の完成者、パレストリーナの伝説的事件をオペラ化したもの。
その伝説は、下記のサイトに詳しいが
http://scherzo111.blog122.fc2.com/blog-entry-154.html
簡単に言うと、宗教改革への対抗として、カトリックの自己改革が行われた時代、歌詞の聴き取れない複雑はポリフォニー音楽は、本来の宗教的目的に反するとして禁止されそうになったが、ポリフォニーでありながら、歌詞がきちんと聞き取れる曲をパレストリーナが提示したことにより、パレストリーナは「音楽の救世主」となった、というお話。
プフィッツナーは、これを自分にも置き換えているらしい。
さて、抒情的で大変美しい音楽だが、後期ロマン派としてはものたりないか、と思いながら聴き進めていたが、そのうちに清澄ともいえる哀愁感にだんだんはまってくる。
上記のように、長さのせいで、録音や上演が少ないとの事だが、別に小難しい音楽というわけでもないので、もっと増えてもいいと思う。