ラミンの バッハ「マタイ受難曲」

バッハ「マタイ受難曲
ギュンター・ラミン指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(1941)
カール・エルブ:テノール(福音史家)
ゲルハルト・ヒュッシュ:バリトン(イエス)
ティアナ・レムニッツ:ソプラノ
リーデル・ベックマン:アルト
ジークフリート・シュルツェ:バス
ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団
ラミンの第2次世界大戦中の「マタイ受難曲」であるが、買ってみてわかったが2CDで2時間強である。つまり、かなりの短縮版ということ。
曲自体の省略もあるが、例えばアリアのダ・カーポの前奏と後奏がばっさりカット、みたいなこともある。
1941年のSP復刻ということで、若干針音はするが、音自体がこの時代にしては大変良いので、鑑賞には全く問題がない。
第1曲目の合唱のあと、福音史家のカール・エルブの声の後のイエスの声が、メンゲルベルク盤の崇高なウィレム・ラヴェッリの声でないので、一瞬違和感を感じてしまった。よっぽどメンゲルベルク盤が刷り込まれているのだなあ。しかし、イエスの声に寄り添う弦は切なくも美しい。
こんな風に、どうしてもメンゲルベルク盤と比較してしまうが、合唱の迫力は劣るものの、メンゲルベルク盤の最大の欠点である、アリアの大きなテンポ変化が、こちらは許容範囲なのでその点は安心して聴ける。ただ、テンポが遅すぎる部分があるかな。