ヴェルディ「仮面舞踏会」

ヴォットー指揮 ミラノ・スカラ座管弦楽団(1956)
マリア・カラス
ジュゼッペ・ディ=ステファノ
ティト・ゴッビ
このオペラ、タイトルからしてなんか内容を勘違いしていたようで、2年前にトスカニーニヴェルディ全録音BOXを買った時も、車で聴き流したっきりだった(汗)
実際のスウェーデン国王の暗殺事件から発想された戯曲のオペラ化だが、当時のナポリでは(たとえ外国でも)王族の暗殺を舞台化することが禁じられていたようで、舞台を開拓期のアメリカ、上演場所をローマとする事で、やっと作曲、上演ができるようになったという。
早い話が、イギリス統治下のアメリカ・ボストンの提督が部下の妻と不倫をしてその部下に(仮面舞踏会で)殺される話(省略しすぎ(笑))
ストーリーに反して(?)音楽は、(前作の「シモン〜」よりも)起伏に富み、躍動感に溢れたドラマティックなもの。いや、スリリングでもあるから、やはり内容にあっているのか。
あまりに大向こう受けを狙いすぎの感もあるが(「シモン〜」の反動?)ベルカントの要素をドラマ展開にうまく絡める手腕は見事なものだと思う。それがこのオペラの人気の原因だな。
第2幕に男声が笑いながらハモるシーンがあるが、これは秀逸。
ちなみに、カラス歌唱では1年後の1957年のガヴァッツェーニ盤が、えらく評判がいいが・・・・(ヴォットー盤もたいがいすごいと思うのだが)買うかどうか、悩むところだ。