ヴェルディ「運命の力」

サンティ指揮 メトロポリタン歌劇場管弦楽団(1965)
フランコ・コレッリ:ドン・アルヴァーロ
ガブリエッラ・トゥッチ:レオノーラ
エットレ・バスティアニーニドン・カルロ
ジョルジョ・トッツィ:グァルディアーノ神父
ジョーン・グリロ:プレツィオシッラ

「運命の力」はカラスのCDとプライスの映像を見聴きしたのだが、やはり最低もう1枚は聴きたかった。廉価のものを丹念にさがしてなかなかの配役のものを入手した。
ライブの放送用音源との事で、まずまずの音質。
しかしびっくりしたのが、有名な序曲が第2幕の頭に移されている事。これは第1幕を序幕と捉えた解釈なんだろうか。
さらにびっくりしたのが、第2幕の第1場がまるまるカットされている事。これはお得意のメトロポリタン・カットなのか?それとも放送時間の都合だったのか?おかげでプレツィオシッラとドン・カルロの出番が随分減ってしまった。まさか、体調の悪いバスティアニーニを気遣って、出番を減らすためにしたわけではないだろうが。
しかし、以前書いたが、ストーリーと無関係な部分はカットしてすっきりさせたほうがいいのでは、という私の考えどおりの録音が奇しくも既にあったということだ。
もしかして、初演版?とも思ったが、ラストは通常なので初演版ではない。こういう上演ってあたりまえにあったんだろうか?よくわからん。
歌手陣は豪華だが、コレッリとトッツィが特に良い。
心配していたバスティアニーニであるが(こちら)全盛期にくらべ、渋みが増し若干声量が落ちているようだが、その分声の深みは増しているて、思ったよりはいい状態であった。コレッリとの二重唱はまさに聴きもの。
ちなみに、DVDを含め、彼の全盛期の「運命の力」は数種あるのでいつか聴く機会があるかもしれない。