コナン・ドイル「陸の海賊―ドイル傑作集4」

コナン・ドイル「陸の海賊―ドイル傑作集4」
こちらは「冒険・スポーツ・歴史篇」と銘打たれている。今までのようにミステリーや怪奇ではないので、個人的にはどうかな、と思ったが、思いのほか面白い。(ボクサーの幽霊譚まであった(笑))
しかし、考えてみれば、面白くなければ当時の大衆紙が採用しないから、面白くてあたりまえなのだった。
ホームズやルパンのような有名作品ででもなければ、当時の大衆小説などなかなか読む機会がないだろうから、逆にこういう作品集は貴重なのかもしれない。
当時の社会や文化の情勢も、ホームズものとは違った角度から知識が得られる。
例えば、当時のボクシングは、死人が出るという危険性から素手からグローブへの移行時期、かつ公然とした賭けの対象として興業が行われていた等々。