コナン・ドイル「クルンバーの謎―ドイル傑作集3」

コナン・ドイル「クルンバーの謎―ドイル傑作集3」
これまでも1巻の「ジェレミー伯父の家」等、東洋にからむドイル作品はあったが、これは特に東洋関連の作品を集めたもの(1作のみケルト)ほとんと長編と言っていい「クルンバーの謎」が過半数のページを占める。
その「クルンバーの謎」だが、なんかこんな話、他にあったな、と思って解説をちらっと見たら、ウィルキー・コリンズの「月長石」の影響があるとか。
それでも、さすがにドイルだけあって、読者の興味をあおるためだけの軽薄な異国趣味とは一線を画す。
個人的には、不老不死となった古代エジプト人が、かつての恋人のミイラを現代まで探し求めて、やっと死の安らぎを得る、という若干グロテスクながらもロマンティックな「トトの指輪」が興味深かった。SFやSF漫画にもありそうな展開。