コルボのフォーレ「レクイエム」室内楽版(2006)

フォーレ「レクイエム」(ネクトゥ・ドゥラージュ版)
ミシェル・コルボ指揮 ローザンヌ声楽アンサンブル、シンフォニア・ヴァルソヴィア(2006)
アナ・クインタンス(S)
ピーター・ハーヴィー(Br)
この録音については把握していたのだが、某通販サイトで検索してもヒットしなかったので勝手に入手不可と思っていたし、同じネクトゥ・ドゥラージュ版で前年の東京ライブがあったので、まあとりあえずはいいか、と思っていた。
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2017/07/05/045649
しかし、たまたま日本語で検索をかけたところヒットしたのである!輸入盤なのに!!ここら辺この通販サイトの仕組みがどうなっているのやら。
というわけで、上記のとおり同じ版による東京ライブの翌年の、フランスのフォントヴロー修道院におけるライブ録音である。
東京ライブの1年後なので似たような演奏かと思いきや、全く違った。
東京ライブは室内楽の響きを前面に押し出すためにダイナミズムを排したある意味素朴な演奏だったが、こちらはそのダイナミズムが戻ってきている。これはこれでいいのだが、東京ライブの素朴さも捨てがたい。
以前に書いたかもしれないが、個人的にコルボのフォーレの「レクイエム」は、その時その時に聴いたものがベストと思ってしまうのだが、この演奏でもそれが証明された形。

モーツァルトの「レクイエム」について 再考

今回新たに3種類のモーツァルトの「レクイエム」を聴いたのだが、ついでに手元にある録音もまた聴き直したりした。
で、結論から言うと、個人的にはモーツァルトの「レクイエム」はピリオド演奏が好みだな、という事。
通常オケだと、重たくなったり、劇的だったり、ロマン派的演奏の要素がどうしても入ってきて、それがいいという人もいる(というかほとんど)だろうが、個人的には、清澄感や透徹感のある演奏から、抑えてもにじみ出てくるロマン性、といった感じが好きなのだ。
なので、本命がコープマン盤、対抗でTimmerman盤、抑えでヘレヴェッヘ盤ということになろうか。
ヘレヴェッヘ盤は、名盤だと思うし、充分感動的なのだが、現時点では、なぜか個人的には物足りない。いろいろ理由を考えてみたのだが、響きが柔らかすぎるのか、混然一体感が強すぎるのか、対位法的にくっきりと対旋律との対比が前面に出てきていない点かもしれない。そういえば、ヘレヴェッヘはこういった音作りをする人だった。フォーレのレクイエムでもヘレヴェッヘ盤がどこか物足りなく思ったのは、こういう点だったのかもしれない。ヘレヴェッヘを最初に聴いた時は、合唱の美しさに衝撃を受けたものだったが、ずっと聴いてくると、また捉え方が変わってくるものだなあ。

猫のエサは買えたのだろうか

今朝起きてみると携帯に不在着信。ゆうべは爆睡で気が付かなかった模様。留守電も入っている。
仕事関係だったらどうしよう!と、あわてて聞いてみると、聞き覚えのないおばちゃんの声で

「ネコのエサが無くなりましたので、買ってきてください」

一気に脱力!!

神奈川県の番号のようだが、このおばちゃんがこの後、正しい相手に連絡が着いたことを願ってやまない。

シェルヘン(シェルヒェン)のモーツァルト「レクイエム」

モーツァルト「レクイエム」
ヘルマン・シェルヘン(シェルヒェン)指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団(1958)
ウィーン・アカデミー室内合唱団
セーナ・ユリナッチ(S)
ルクレツィア・ウェスト(A)
ハンス・レフラー(T)
フレデリック・ガスリー(B)
ヘルマン・シェルヒェンについては全く知らなかったが、ネット上の評判のみで購入。作曲家兼指揮者で「現代音楽の推進者として知られた」(ウィキペディア)との事。
とにかくテンポ設定の振り幅が大きい。かと思うと急ブレーキのようなリタルダンドがかかる。しかし、演奏自体は真摯なので奇矯な印象はない。
ウィキペディア

演奏スタイルは基本的には知的で明晰なものを指向していたが、一方(特に古典作品で)伝統に反旗を翻すような奇抜な解釈による演奏を行うこともあり、さらに実演では表現主義的な激しさを見せることもまた多かった。

とあるように、一般にはドンデモ指揮者扱いとの事だが、ある意味トンデモ指揮者であるクナッパーツブッシュのファンとしては、こういう演奏は逆に嬉しくなってしまう。
この人も、いずれ腰を落ち着けて聴いてみたい。

コルボのモーツァルト「レクイエム」(バイヤー版)

モーツァルト「レクイエム」
ミシェル・コルボ指揮 ローザンヌ器楽・声楽アンサンブル(1995)
エフラト・ベン=ヌン(S)
エリザベート・グラーフ(A)
ジェフリー・フランシス(T)
マルコス・フィンク(B)
というわけで、コルボのモーツァルト「レクイエム」(新盤かつライブ)である。恥ずかしながら「バイヤー版」というのを知らなかったのだが、「ジュスマイヤー版」の「饒舌」なオーケストレーションの修正、伴奏のカット、が行われているとのこと。
旧盤よりも速めのテンポでけっこうドラマティック、旧盤とは甲乙つけがたいが、あくまで個人的な好みとして、この曲は速めのテンポが好みなので、僅差でこちらを取るが、ちょっと激しすぎる部分が気になる。これも個人の好み。