UFO少年アブドラジャン(1991 ウズペキスタン)

ウズペキスタンの農村に、アブドラジャンと名づけられた宇宙人の少年がやってきて、村に数々の奇跡を起こすが・・・というお話。その奇跡の様をあらわす特撮(?)がチープで、それだけでも「とほほ映画」ファンにはたまらないが、この映画のテーマはもちろんそちらではない。そこらへんは他の人がいっぱい書いていると思うので。
私が注目したいのは、このトルコ系がほとんどをしめる(あとはカザフ系等)ウズペキスタンの、ソ連時代の農村事情である。中央アジアということもあり、なにか日本とも通じる懐かしい風俗もさることながら、ソ連であろうとも、王制であろうとも、他のどんな政府形態であろうとも、村には村長がいて、口うるさく村民の尻をたたき、村人は、自分たちの年貢(?)が、どこに行くのかもあまり気にせず、のんびりと生きている。これまでも、そしてこれからも、ずっとそうなのではないか。(ソ連というと、その構成国の隅々までも、がっちりと統制が取れているような印象が、漠然とあったのだが)それはあたかも、江戸時代、領主がだれにかわろうとも、また明治維新がおきようとも、日本でも、農村の意識は、似たような感じだったのでは、と思われた。世界は狭くなったとはいても、知らない国はいっぱいあるのだ。