反対進化(創元SF文庫)

エドモンド・ハミルトン
キャプテン・フューチャーで有名なハミルトンだが、スペースオペラのみの作家ではないという主旨の主に1930〜40年代の作作品を集めた短編集。最初姉妹編の「眠れる人の島」(幻想怪奇短編集)を表紙絵に惹かれて購入し、次いでこちらを購入した。
さすがに古色蒼然としているが、超生命体の実験の失敗結果が「生命」であり、その感染を防ぐため宇宙は膨張しているという「百億の昼と千億の夜」の先取りのような「呪われた銀河」脳を新しい肉体に移植し続け、逃亡と追跡が古代アトランティスから現在まで続く、すさまじい復讐劇「ウリオスの復讐」原形質生命が放射線による突然変異による進化が、人類をはじめとする生物の進化につながったはずが、実は、高度な精神エネルギーを有する原形質生命体が、はるか古代に地球へ移殖し、放射線による突然変異による退化(!)で、現在の生命が生まれたのだとする「反対進化」宇宙版インディー・ジョーンズ的なこじゃれた作品「失われた火星の秘宝」植物と同じ生命速度を持つことに寄って開かれる驚異の植物世界「異境の大地」ブラッドベリを思わせる切ない叙情的世界「プロ」(ほとんど説明しちゃったな)等、けっこう面白く読めた。