『竜の挑戦』 All the Weyrs of Pern (1991)

アン・マキャフリイ
パーンの竜騎士のシリーズ8作目である。前にも書いたが、実際にストーリーが進むのは、3の「白い竜」(1978)以来なので10年以上ぶりである。しかし、パーンの人々が宇宙服を着て、宇宙に飛び出すなど、1作目(1968)の時点で誰が想像しただろう。できれば、パーンの世界は地球とは無関係の夢の世界であって欲しかったというのが、心のどこかにあったのも事実であるが、読み始めると普通に違和感無く読めてしまった。そもそも、先祖が静止衛星軌道上に残した宇宙船に、パーンの人々が乗り込むためには、ロケットなどを作る知識も技術もとうの昔に失われているため、テレボート能力をもつ「竜」の存在が不可欠である。よく考えたものだ、っていうか、まさか作者もこんな展開になるとは思っていなかったに違いない。
次作の『竜とイルカたち』 The Dolphins of Pern (1994)も読み始めた。前作で機能を停止したA.I.のアイヴァスや、パーンの心のささえであったが亡くなってしまった「ロビントン師」が生きている!つまりは、お得意のサイドストーリーではないか! この次は(未訳)その「ロビントン師」のサイドストーリーのようで、やはり話は進まない。次でやっと進むようだが(2001年出版)海外のサイトの書評を読むと(翻訳ソフトでね)極端な賛否両論で、早く読みたい。しかし、なんで翻訳に10年もかかるのか?版権の関係か?ハリポタはすぐ翻訳されるのに!