Lark's Tongues In Aspic(1973)

King Crimson
例の紙ジャケシリーズ。私は長らくこのアルバムを傑作扱いする風潮に逆らってきた(参照)理由はあるのだが、そもそもなんでだろうと思ってよくよく思い出してみると、大昔「宮殿」の次に買ったのが「USAライブ」のような気がする。なぜか。単純に「21世紀〜」の別バージョンを最初に聴きたかったのだろう。そして、フリーインプロのすさまじさとジョン・ウェットンのベースにノックアウトされてしまったのだ(私のベーシストとしてのルーツの一つになった)そして、後追いで「太陽と戦慄」や「暗黒の世界」を聴くとどうしても「USA」基準で評価してしまうことになる。と、どうしても「太陽と戦慄パートⅡ」「放浪者」「イージー・マネー」等、ライブ盤のほうが演奏がこなれてきていて迫力も違う(「放浪者」など別曲といってもいい)ので、どうしても「太陽」を軽視してしまっていたわけだ。
しかし本当は、ちゃんと発表順に聴けば、彼らがどれだけすごいことを始めてしまったのかがよくわかるわけで、最近はちゃんと評価している(ジェイミーのパーカッションも含めて)「太陽と戦慄パートⅠ」は、最初の頃はライブでやっていたが、はやばやとやらなくなった。ジェイミーの存在が不可欠だったのだろうが、この曲をやり続けるには、かなり精神的にもエネルギーがいったろうから、納得はできる。そのぐらいこの曲は異世界にそびえたつ異形の金字塔だ。