青い城(The Blue Castle:1926)

モンゴメリ
赤毛のアン」シリーズ以外のモンゴメリの作品は意識的、無意識的に避ける傾向がある。身勝手だがあの世界を崩されたくないのかもしれない。しかしこの作品は大人向けの作品とのことで、ネット上の評判も(ある意味)大変いい。ので、ユーズドで何とか入手。
決して美人ではないオールドミス(とはいえ当時の事だから29才だが)が余命1年と知り、それまで母親や親戚に頭を押さえつけられてきた人生を一変して、誰にも気兼ねすることなく自由に生きる決心をする話。ただし、ある種のシンデレラストーリーなので、最後はハッピーエンド。感のいい人なら、冒頭、彼女の愛読書が出てくるあたりで、もうエンディングは見えるであろう(笑)しかし、彼女ならではの深さや文学性もそこはかとなくちりばめられている。この本のファンが多いのもわかる。少女漫画や、ハーレクインに近いかも。(といいながらハーレクインは1冊も読んだことがないが)
というか、映画やドラマにすればいいのに。カナダではミュージカル化されているらしい。
しかし、冒頭の「結婚できない女性」に対する周りのしうちは、今も昔も変わらないのだなと思う。「ブリジット・ジョーンズの日記」かと思ったくらいだ。わが国でも未だに「負け犬」なとという言葉が闊歩している。少しは人類も進歩していいのではないか。
ちなみに、この本の前半が面白いと言う人がいたが、私は逆に前半は不快で読むのをやめたかったぐらいである。人それぞれである。