R. シュトラウス 「ばらの騎士」

ライナー指揮 メトロポリタン歌劇場(1949)
私にとっては、子供の頃のシカゴ交響との「新世界」が刷り込みになっているライナーであるが、ドレスデン国立歌劇場やメトでオペラ指揮者としてのキャリアがあったとは知らなかった。当時のテレビ放送用音源からのCD化である。
ゾフィのエルナ・ベルガーは、私にはフルトヴェングラーの「ドン・ジョヴァンニ」のツェルリーナでおなじみ。
歌手役のジュゼッペ・ディ・ステファノはあまりにも豪華。
元帥夫人のエリナー・スティーバー、オクタビアンのリゼ・スティーヴンズも当時のアメリカの名歌手のようで、以前紹介した「歌姫たちの系譜」「ばらの騎士」のページにもベルガー共に載っている。
ttp://www.asahi-net.or.jp/~wg6m-mykw/Library_R_Strauss_Rosenkavalier_Diva_2.htm
オックスのエマヌ(ニュ)エル・リストもヒストリカルワーグナー録音に顔をだすので当時の名歌手なのだろう。(ドイツ語のウィキペディアはあったが英語のウィキペディアには無いぞ)登場しただけで拍手が起こる人気ぶりである。
さて、聴いてみるとあまりのノイズに、よくこれで発売に踏み切ったなと思われたが、クライバー親子並みの推進力あふれる序曲を聴き、なるほどこれなら発売する価値があると納得、その後もライナーらしい細部にまで神経の行き届いた引き締まった音作りである。このノイズはテープ劣化なのだろうか(音ゆれも時々ある)実に惜しい。
「ばらの騎士」を初めて聴く人にはお勧めできないが、コアな「ばらの騎士」ファンなら一聴の価値あり。
PS.ディ・ステファノは、最後の最後に伴奏とづれたぞ。何があった?