日本人の姿勢

子供の頃、テレビでハリウッド映画などで、ウェストサイド・ストーリー的ないわゆる不良同士の喧嘩のシーンで、なぜか違和感を感じた覚えがある。
それは何かというと、互いにナイフを持っている場合、極端に腰を引き、ナイフの切っ先だけを前にだすという「姿勢」であった。
それは、いかに自分が傷つけられずに相手を傷つけるか、という目的に対しては、非常に合理的ではある。
しかし、例えば剣道などを見ると、姿勢は良く、常に腰の入った状態で、「肉を切らせて骨を絶つ」ではないけれども、自分の命そのもので相手に向かってゆく、という潔さがある。
そこらへん、国民性というか文化の違いなのだろうけど、ナイフの姿勢は何か「卑怯」な感じをうけてしまう。
ここで思うのが柔道である。
国際的な「スポーツ」となってしまった今の柔道の姿が、「アメリカの不良のけんか」の姿勢にいかに似ていることだろう。(柔道がアマレス化している、というのも、実はそういうところなのだ)
国際的な「スポーツ」になってしまったのだから、しょうがないこととはいえ、やはり日本古来の「柔道」というものは、スポーツとしてではなく「道」という形で残していってもらいたい。