ワーグナー「ラインの黄金」

クナッパーツブッシュ指揮 バイロイト祝祭管弦楽団
というわけで(こちら)待望のクナの「指環」1958年盤である。
前奏曲で地鳴りのような低音が響く。おお!オケが聴こえる(笑)
何度も同じような事を書いている気がするが、クナのワーグナーを聴くとほっとするなあ。
歌手陣は1956年盤とはヴォータンのホッター以外ほぼ入れ替わっている。総合的に若干1956年盤が上かもしれないが、フルトヴェングラーの「ドンジョ・ヴァンニ」のドンナ・アンナであり、また同じくフルトヴェングラーの「指環」RAI盤でフライアを歌っているグリュンマーのフライアが嬉しい(フライアにしては強靭だが(笑))
先は長いが、現時点でいえるのは、クナを楽しむなら1958年盤なんだろうな。
よく「クナは遅い」と言われるけれど「そういえば、他の演奏ではここはもうちょっと早かったな」と、比較する事で「なるほど、クナは遅い」と思うのだけれど、聴いている時はまったく遅いとは思わない。だから「ただ遅くしているだけ」のレヴァインは飽きるし忍耐が必要なのだが、クナは全くそんな事はない。
「生きている音楽」が「自然に呼吸」し、その息遣いが、当たり前の結果として、時に速く、時に遅くなっているからなのだ。