ムソルグスキー「ホヴァーンシチナ」リムスキー=コルサコフ版

ムソルグスキー「ホヴァーンシチナ」リムスキー=コルサコフ
ボリス・ハイキン指揮 レニングラードキーロフ劇場管弦楽団(1946)
ホヴァーンスキー公:ボリス・フレイドコフ
ドシフェイ:マルク・レイゼン
ゴリーツィン公:ウラディミール・ウリヤーノフ
アンドレイ:イヴァン・シャスコフ
代書屋:ヤコフ・ミシェンコ
クーシカ:ラフレンティ・ヤロシェンコ
マルファ:ソフィア・プレオブラジェンスカヤ
オペラは「モスクワ川の夜明け」という別名で単独演奏もある前奏曲で始まるが、これが実に美しい。以前の小川典子のオリジナル・ピアノ・ヴァージョンも良かった。
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2013/10/12/064718
そういった点からもわかるように、このオペラは「ボリス・ゴドゥノフ」に比べると、いくらかキャッチャーな要素はあるが、その分大変メロディが美しいオペラに感じる。遺作ということだが、長生きしていたら、こういうメロディアスな作品が、もっと増えたんだろうな。もったいない。
また「ボリス・ゴドゥノフ」にもあった「展覧会の絵」との類似点もうれしい。今回はマルファのアリアが「ヴィドロ」の雰囲気。
歌手陣は古いソ連の歌手なので馴染みがないのだけれど、皆素晴らしい。このオペラは特にホヴァーンスキー公は重要人物だが、特に主役というわけではい。どちらかというと全編通して柱になるのは古儀式派最長老のドシフェイであるが、このドシフェイのマルク・レイゼンが深みのある落ち着いたバスで特に印象深い。