モーリス・ルブラン「ルパン最後の恋(リュパン、最後の恋)」

モーリス・ルブラン「ルパン最後の恋(リュパン、最後の恋)」
1980年代に発見された、ルブランの推敲中の遺稿を出版したもので、邦訳は2012年に早川書房ポプラ社から単行本が出版されたが、値段の関係でスルー、昨年創元推理文庫で、ようやく文庫で出たので入手。
時系列的に最後の作品のはずだが「カリオストロの復讐」では50歳ぐらいのはずが、こちらでは40歳ごろということで、これはどういうことだ?まあ、恋のお相手が20代前半なので、さすがに50歳ではまずかったんだろう。
ここでのルパンは、パリ郊外の貧民靴の子供たちの面倒を見、その環境整備や科学者の研究の資金稼ぎのために泥棒をしている、という設定。その子供たちが少年探偵団のような活躍を見せるのが楽しい。
善人に方向転換してシリーズが終わるのはやはり違和感があり、最終作は「カリオストロの復讐」としたいのはやまやまだが、まあ、めでたしめでたしだからいいか。