シューマン 交響曲第2番
コンヴィチュニー指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(1960 1961)
この曲は、アダージョ楽章を除いて一気に演奏しないと音楽がもたない部分がある。なので大抵の演奏は一気に演奏する。
しかしコンヴィチュニーは、音楽がもたなくなるぎりぎりの遅さで演奏する。テンポの遅い演奏を目指すなら、普通はそれ以上遅くしたら音楽がもたなくなるという直前のテンポをとるものだが、コンヴィチュニーはあえて、そこを越えて、それ以上速く演奏したら音楽がもつ、という絶妙の(という言い方も変だが)テンポで演奏する。
よほど自分の演奏に自信があるのか、いや、これはシューマンの楽譜に対する全面的な信頼の上に成り立った、全く迷いの無い演奏なのだ。流麗さのかけらも無いのに、聞いていて心地よいのは、そういう理由があったのだ。