ヘレヴェッヘのフォーレ「レクイエム」2種

フォーレ「レクイエム」第2稿(1893年版)
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮 アンサンブル・ ミュジック・オブリク(1988)
シャペル・ロワイヤル サン=ルイ少年合唱隊
アニェス・メロン(S)
ペーター・コーイ(Br)

フォーレ「レクイエム」第3稿(1901年版)(1988年出版新校訂譜)
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮 コレギウム・ヴォカーレ シャンゼリゼ管弦楽団(2001)
ラ・シャペル・ロワイヤル
ヨハネッテ・ゾマー(S)
シュテファン・ゲンツ(Br)

かのヘレヴェッヘフォーレのレクイエムを第2稿、第3稿ともに録音している!ということで購入。それも第3稿の演奏はピリオド楽器だとか!
さて、双方ともに今まで聴いてきた演奏と、どこか印象が違う。今までは曲が始まるたびに「ああ、このメロディだ、うれしいな」という気分になるが、こちらはあまりそんな感じがしない。フレーズ感が希薄なのだろうか。
また、フランス音楽独特の、いい意味での「甘さ」も希薄だし、以前書いたそこはかとない東洋感もない。もしかしたら、これはフランス音楽としてではなく、ヘレヴェッヘがいつも指揮しているドイツ音楽として演奏しているのかもしれない。
第3稿の方はピリオド楽器(ガット弦)なので、さらに淡い印象を与える。
こういう、ふわっとした感じのフォーレのレクイエムも悪くないのだろうが(名盤扱いされているので)個人的には、フランスらしい演奏がいいな。
第2稿のソプラノのアニェス・メロンの声質がまるでボーイ・ソプラノのように純粋無垢なのが印象深い。