チャイコクフスキー交響曲第6番「悲愴」
インバル指揮 フランクフルト放送交響楽団(1991)
このCDはずいぶん昔に買ったのだが、なぜ買ったのか記憶が無い。たぶん、当時CDを買い初めで、とりあえず「悲愴」も1枚買おうと思ったときに、ブルックナーが良かったインバルをCD屋で見かけて買ったものと思う。が、当時聴いた時の記憶が全くなく、それよりもカップリングのワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」の「前奏曲と愛の死」の方を聴いていた気がする。
で、ほんとうにふとちゃんと聴いておこうと思って聴いてみてこれはびっくりした。虚飾を廃した真摯でゆったりとした演奏で、裏メロと本メロをほぼ同音量にして、透徹した美しさを醸し出している。フリッチャイあたりとは対極の演奏であるが、これはチャイコフスキーの印象が変わるほどの名演である。
ちなみに我が家にある「悲愴」は演奏年順に以下の通り。
フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1938)
モントゥー指揮 ボストン交響楽団(1955)
フリッチャイ指揮 ベルリン放送交響楽団(1959)
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20061021/p2
マタチッチ指揮 ローマ・イタリア放送交響楽団(1973)
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20090723/p1
ロジェストヴェンスキー指揮 ロンドン交響楽団(1987)
インバル指揮 フランクフルト放送交響楽団(1991)
フルトヴェングラーはEMIBOX、世評では名盤扱いだが、個人的にはフルトヴェングラーにはもっとやり倒してもらいたかった。
モントゥーは、リヴィング・ステレオBOX、以前にも書いたが世界文化社の世界の名曲シリーズで子供の頃生まれて初めて聴いた「悲愴」で、角がとれている印象があるが、標準的な名演。
フリッチャイ、マタチッチはリンク先参照。
ロジェストヴェンスキーは、数年前に聴くのを中断してしまったチャイコフスキー・エディションBOXで未聴。しかし、これを機会にロジェストヴェンスキーを聴いてチャイコフスキー・エディションを再開するかな。
チャイコフスキー・エディションの交響曲第4、第5もロジェストヴェンスキーであるが、これで第4、第5に興味を持ったら、フリッチャイ、インバルも第4、第5を録音しているので聴き比べをする、という手もあるな。