シューマン ピアノ協奏曲
ディヌ・リパッティ(pf)
カラヤン指揮 フィルハーモニア管弦楽団(1948)
先日「音質にこだわるつもりはない」等と書いておきながら
その舌の根の乾かぬ内に特典目当てで高音質盤を買ってしまった(汗)
特典というのは、ドラマのどの部分で、曲のどの部分が使用されているかの楽譜付きの詳細な解説と、ウルトラセブン音楽担当の冬木透氏と「ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた」等の著者青山通氏との対談である。
さて、リパッティについては昔から名前は知っていたものの実際に聴くのは初めてであったが衝撃的だった。シューマンのピアノ協奏曲は、個人的にはアルゲリッチ&アーノンクール盤がかなりの名演で満足していたのだが
かの名プロデューサー、ウォルター・レッグは「リパッティの10本の指は、それぞれが生命をもっているようだ」と評したとのことだが、それでいて変なヴィルトゥオーソに堕する事のない高貴さを保っている。
ウィキペディアには
彼のピアノの特徴は、透明な音色でピアノを最大限に歌わせていることである。純粋に徹した、孤高なまでに洗練されたピアニズムは古今でも随一とされる。
とあるが、この二文で全てを語っていると言っていい。
高音質のせいか、1948年のモノラルなのに、ステレオ録音に比しても全く遜色がない。対談では「今まで聴こえて来なかった音が聴こえてくる」とあるので、高音質化前の録音と聴き比べたくなるし、リパッティがこんなにすごい人だとは知らなかったので廉価BOXを衝動注文してしまった(汗)
ちなみに、さんざん嫌いだと言っている指揮のカラヤンであるが、1948年ということで私が嫌いな部分も未だ出てきていない頃なのでなんら問題はない、というか、1950年代以前のカラヤンは逆に好ましいぐらいである。