シューマン 交響曲全集(1993) ロイ・グッドマン指揮ハノーヴァーバンド

シューマン 交響曲全集(1993) ロイ・グッドマン指揮ハノーヴァーバンド

注文したと書いたのは2月22日であった。

https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2024/02/22/045302

その後まもなくして届いたのだが、聴く前に家にあるシューマン交響曲の録音をざっと聴き直してから聴きたくてここまで時間が空いてしまった。というわけで満を持して聴いたのだが。
ピリオド楽器ということで、ヴァイオリンは両翼であり、また現代のオーケストラより人数が少ない。当然その分木管金管が前に出る。しかしである。このバランスにより音の抜けが良くなり、かえって旋律線が埋まることなく実に見通しのいい演奏になっている。これは目から鱗だった。
近代以降のオーケストラの弦楽器偏重のせいでシューマンオーケストレーションが下手だ、という事になってしまったのだ!これは、シューマンのみならずクラシックの作曲家に対する大いなる弊害ではないだろうか。
上記でも書いたが、やはり作曲当時のオケの編成でやるべきなのだ。
そもそもオケが巨大化したのは劇場の巨大化、つまりはより客を詰め込みたいという劇場側の都合であった。現在はそんな事を気にする必要も無いのだから(PAや録音技術の進化等)もう巨大化したオケで演奏するのはやめにして欲しい。
話は逸れたが、久々にこんなにわくわくする演奏に出会えた。
ちなみに、第4番は改定前の初版であるが、個人的には改訂版で録音するか、初版と両方やってほしかった。
シューマンの死後に第4番を出版する際に、ブラームスは初版を、クララは改訂版を推したという話が残っているくらいだから初版も悪くないのだが、第4楽章の個人的には冒頭がちょっと物足りない部分があるからである。