サンタナ(1969)天の守護神(1970)サンタナⅢ(1971)

サンタナ
恥ずかしい話だが、長年私にとってのサンタナは「ウッドストック」「ブラック・マジック・ウーマン」「哀愁のヨーロッパ」であり、それ以上でもそれ以下でもなかった。そして、これ以外のサンタナを知ろうとも思わなかった(Oye Como Va という多分聴けば誰でも知っているような曲も、サンタナという意識は無かった)ほんとにこの機会に聴けてよかった。
この初期3作は、私にとってはプログレに聴こえる。その執拗なリズムに対するこだわりは、もうロックにジャズやクラシックや前衛音楽の要素を加えたのがプログレならば、充分別要素を加えたといえるのではないか。3作とも甲乙つけがたいが、やはり「天の守護神」がひとつ抜け出ているのは、このアルバムの驚異的な「無駄の無さ」だと思う。捨て曲が1曲も無い。前半のほとんど間断なく続く曲は、「ブラック・マジック・ウーマン」を含むが、独立してこの曲を聴いた時とは、全く違った印象を受ける。この曲は、ヒット曲ではあるが、実は、アルバムの中でこそ本当の意味が分かる曲であったのだ。そこらへんも、プログレ的だ。1枚目は、デビュー作としての勢いが、荒削りさとあいまって、魅力的だ。3枚目は、ちょっと普通のロックに移行しかけているが、その分、エキサイティングである。しかし、私の昔からの持論だが、同じ方法論でのアルバムは3枚が限界だと思うので、次の「キャラヴァンサライ」は大正解だと思う。