赤毛のレドメイン家(1922)

フィルポッツ
しばらくはルパンシリーズかと思っていたが、「奇巌城」「告白」まで読んで、妙に満足してしまって、次を読む気力が失せてしまった(汗)なので、これも読もう読もうと思っていて今まで読む機会の無かった江戸川乱歩絶賛の「赤毛のレドメイン家」をやっと読む。
ネット上の評判は概ね良いが、厳しい意見もけっこう多い。しかしそれを言うのはミステリーを「推理パズル」として読みたい人のような気がする。ミステリーはあくまで「推理『小説』」なのだから、小説としての面白みもあってしかるべきであろう。確かに、後年のミステリーを散々読んだ目から見たら、犯人もトリックもけっこうあたりがつく。しかし、だからといって、ミスディレクションの巧みさも仰天の真相もなんら価値が下がるわけではない。やはり歴史に残る作品だろう。
そういえば江戸川乱歩の「緑衣の鬼」はこれが下敷きだった。文庫の全集は買ったが、これは(翻案ものということで)読んでいなかった気がするので、読んでみるか。