ブルックナー 交響曲第8番

チェリビダッケ指揮 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(1993)
遅い遅いと聞いていたが、これはまたとんでもなく遅いブル8で、もう別の曲である。
ある曲をゆっくり演奏した、というのではなく、はじめから遅いテンポの曲として演奏している。
だから、遅くても間延びした印象は全く無い。ゴムが伸びきって弾力がなくなっているのではなく、あらたに新しい長いゴムを持ってきたという事。
しかし、これだけ遅いのに、聴いている間はあっという間に終わってしまうという感じがするのは驚異だ。
チェリビダッケの遅いテンポについて「テンポが遅いという事は、それだけ聴衆に伝わる情報量が多くなるということだ」といったようなことがよく言われるが、この演奏を聴くとなるほどなと思う。
ブル8としては一般にお勧めはできないが、ブル8ファンは一聴をお勧めする(って、これも今更私が言うことではないな)