R・シュトラウス「ばらの騎士」

ビシュコフ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(2004)
以前映像を貼り付けた(こちらキルヒシュラーガーがオクタヴィアンを演ずる映像である。
演出が、時代を20世紀初頭に移している事、当時はお高かった事から、購入を見合わせていたが、待っていればいいことがあるもので、半額以下で再発になった。
馬に乗っての登場を含めて、キルヒシュラーガーがオクタヴィアンは是非見たかったので購入してしまう。
さて、ネット上ではあまりかんばしくない演出であるが、
まず時代設定が20世紀初頭というのは、ホーフマンスタールが台本を書き、R・シュトラウスが作曲した時期であるということ。
それに伴い、第1次世界大戦前の緊張感と退廃、軍服、武器の登場、退廃=エロチシズム
演出者の意図としては、大変掘り下げられていいるし、隅々までよく考えられている。
個人的にエロはいやだし、音楽と所作のシンクロの無視等、突っ込みたいところはあるのだけれど。
しかし、意外だったのが、この通常の演出から見たら最右翼であろうこの演出が、けっこう目先が変わって楽しく見れたということだ。
これは、ビシュコフ指揮ぶりが、奇をてらうことのない正当なものなので、「ばらの騎士」の音楽に揺るぎがなければ、演出は二の次であるということが、図らずも明らかになったとも言える。
でも、当然「ばらの騎士」の最初の1枚には推せない(笑)