クナッパーツブッシュ指揮 バイロイト祝祭管弦楽団(1951)
パルシファル:ヴォルフガング・ヴィントガッセン
グルネマンツ:ルートヴィヒ・ヴェーバー
クンドリー:マルタ・メードル
アンフォルタス:ジョージ・ロンドン
ティトゥレル:アルノルド・ヴァン・ミル
クリングゾール:ヘルマン・ウーデ
先日(こちら)の続きである。
ゲネプロを中心に編集したというクナの1951年バイロイト盤であるが、1962年盤が4時間10分なのに対して4時間30分強ある。
しかし、前奏曲では「遅い!」と思ったものの、本編ではそんなに遅さを感じない。
以前「トリスタンとイゾルデ」で、クナッパーツブッシュは他の指揮者と音楽の息遣いが違う、と書いた事があるが、「パルジファル」の場合、「パルジファル」という音楽を、クナ自身が生きている、といっていいほどの、なんともいえない自然さなので、遅さが気にならないのだろう。
そこらへん、単に遅いだけのレヴァイン盤とはやはり違う。
「馬上人無く 鞍下馬無し」の境地か。
1951年盤と1962年盤のどちらが優れているか、という問題については、未だ語る資格は無い。これから聴きこんだり、他の指揮者も聴いてみないとなんとも言えない状況である。
歌手陣ではやはり1962年盤のグルネマンツ:ハンス・ホッターが突出しているけれども、全体のバランスからすると1951年盤のほうが上であろう。何といってもヴィントガッセン、メードル、ウーデである。