ヘンデル「ジュリアス・シーザー」(エジプトのジュリオ・チェ−ザレ)

ライトナー指揮 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(1965)(ドイツ語)
シーザー:ワルター・ベリー
クレオパトラ:ルチア・ポップ
セスト:フリッツ・ウンダーリッヒ
コルネリア:クリスタ・ルートヴィッヒ
プトレマイオス:カール・クリスティアン・コーン

ヘンデルのオペラは例のBOX(こちら)で聴くつもりなのだが、デビューほやほやのルチア・ポップがクレオパトラを歌う発掘音源が廉価であったので、こちらから聴く事にする。彼女唯一のヘンデル全曲盤で放送用の演奏会形式ライブ、発掘音源なので音はあまりよろしくない。オリジナル・テープからの、というのをうたっているCDもあり、もしかしたらこちらより音がいいのかもしれないが、高くてとてもではないが手が出ない(涙)
さて、バロックと言えば今はピリオド楽器で清澄な演奏があたりまえだが、この頃は、ピリオド楽器こそ使っていないが、バロック音楽をロマン派的大時代的演奏から開放した時期なので、非常に透明感があり美しく真摯である。ライトナーはバロック音楽演奏にも定評があった、との事だが、むべなるかな。
歌手陣は、古い音源好きの私には、お馴染みの豪華キャストで文句のつけようが無い出来。うーん、これほど良いとは思わなかった。もしかして名盤か?
っていうか、このオペラ自体が、名曲だ。聴いてすぐ名曲だとわかる曲は、そうそうあるまい。ヘンデルは明るい曲もさることながら、暗い曲に、ドイツ的なものなのか、深い陰影があり、実に哀愁に溢れている。勿論演奏にもよるだろうが、BOXを聴くのが楽しみになってきた。
唯一つ残念なのが、オリジナル・テープの劣化か、フィナーレ近くになってくるとかなり聴きづらくなり、あげくに、それ以降は聴くに堪えないのか、テープ自体が損傷してしまったのか、フィナーレが途中でフェイドアウトしてしまう事・・・・・・うーん、しょうがない事とは言え、ここまできて、これはつらいぞ。