ワーグナー「ジークフリート」

クナッパーツブッシュ指揮 バイロイト祝祭管弦楽団(1957)
ベルント・アルデンホフ:ジークフリート
アストリッド・ヴァルナイ:ブリュンヒルデ
ハンス・ホッター:さすらい人
パウル・クーエン:ミーメ
グスタフ・ナイトリンガー:アルベリヒ
ヨーゼフ・グラインドル:ファフナー
マリア・フォン=イロスヴァイ:エルダ
イルゼ・ホルヴェーク:鳥の声
以前にラストのみ聴いたときに書いたが(こちら)やはりクナが素晴らしいので、これをベストにしたいところだがそうもいかない。
ミーメのクーエンは1951年から1957年まで毎年バイロイトでミーメをやり続けた、ミーメの第1人者である。私も1953年のクラウス盤、1956年のクナッパーツブッシュ盤で、その特徴的な高音に親しんできた。
が、ネット上でも別人かと思った、という評があるほど、声が違う。あわてて同年の「ラインの黄金」を聞き直したが、こちらはお馴染みのクーエンの声である。しかし「ジークフリート」では、普通の(それも若干衰えた)テノールの発声になっている。本当にこれがクーエンであるなら公演直前に調子を崩して発声を変えたか、突然衰えが来たか、どちらかではないか、と思うほどである。翌年からシュトルツェに替ったのも、そういう事情だったのか・・・・?
というわけで、全盛期のクーエンで無い分、かなり割り引かなくてはいけなくなってしまった。