シベリウスとカレワラ その1

シベリウスとカレワラ その1
シベリウスの交響詩に「レンミンカイネン組曲(四つの伝説曲)というのがあるが、タイトル通り以下の4つの曲で構成されているのだが(題名は邦訳により差異がある)
 
1.レンミンカイネンとサーリの乙女たち
2.トゥオネラの白鳥
3.トゥオネラのレンミンカイネン
4.レンミンカイネンの帰郷
 
シベリウス管弦楽曲集等に収録されるのは、大概「トゥオネラの白鳥」と「レンミンカイネンの帰郷」で、全4曲が収録されることは結構まれである。
私がもっているのでも、ヴァンスカ盤、ヤルヴィ盤、デイヴィス盤のみである。
確かに他の2曲に比べて、この2曲は短めでキャッチャーな内容であり「全曲まとめて演奏することは必ずしも要求されておらず(ウィキペディア)」という事なのでいいのだろうが、元々は、フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」の第11、14、15章の物語に基づいている曲なので、なるべくなら4曲を通して聴いてもらいたい。
てっとり早く民族叙事詩「カレワラ」を楽しみたいのなら、岩波少年文庫の「カレワラ物語」がお勧め。たぶんイラストレーターとしても著名であろう川島健太郎の、端正な中にも上品なフェロモンが満ちているイラストを見るためだけでも、この本は価値がある。