シベリウス 交響曲第4番について

シベリウス 交響曲第4番について
陰鬱と言われるシベ4であるが(このフレーズ、耳タコですいません)聴きなれてみると、実は虚飾を廃した内省的な曲で、味わい深さは7番にせまるものがある、と気づいてきた。
陰鬱という第1印象をうのみにして、第1、3楽章を思い入れたっぷりに引きずり気味に演奏する指揮者がいるが、実はすっきりと演奏したほうが曲の本来の意味が生きると思うし、テンポもあまり落とすべきではない。
第2、4楽章は、この交響曲の中でもほっとする瞬間を提供してくれる楽章だが、やはり軽やかに演奏するべきで、全体の雰囲気に合わせて重たく演奏する指揮者には首を傾げざるを得ない。
ヴァンスカ盤は実は第3楽章が極端に遅いのだが、あまりにも透明感があふれた演奏ためにその遅さが気にならないという特例の部類に入る。他の楽章も申し分なく、第1に推したい。
次点は全力投球のロジェストヴェンスキー盤、別の意味で全力投球のアブラヴァネル盤は、わずかに第2楽章の軽やかさが足りない。
勿論、ベルグルンド盤3種、ヤルヴィ盤もけっして悪い演奏では無い。