シベ6の第4楽章
シベリウスの6番について、いつもうるさく書いているのだが、第4楽章についての個人的な3つのこだわりを書きたいと思う。
1つめは全体のテンポ、速すぎてもいけないが、躍動感を無くすほど遅すぎてもいけない。
2つめは、ティンパニのロールが入る部分、頭のみ強くてあとは弱いロールという指定だと思うが、この1発目がきちんとタイトに叩かれているか。
3つめが、中間部からコーダ直前にかけての、テンポが上がる部分。すべての指揮者が振り幅の大小はあるが必ずテンポを上げるので、速度を上げる指示が楽譜にあるのだと思うが、ここを我慢して、テンポの上げ方を最小にとどめて欲しい。ここをテンポを上げ過ぎると、この楽章全体がこじんまりとした印象になってしまう。
さて、この観点から各演奏を見ると、ヤルヴィ、ロジェストヴェンスキー、アブラヴァネル等、1については合格だが、3については不合格。実はこの3の条件で、ほとんどの演奏が脱落してしまうのだった。
残るはヴァンスカとベルグルンドの3種であるが、ヴァンスカは全体的に速いために、テンポを上げるのにも限界があるので、結果的に上げ幅が少ないというに過ぎない。よって1の点で不合格。
ベルグルンド3種では、ボーマンス響盤とヘルシンキ・フィル盤が全体に遅すぎ、2のティンパニも迫力不足、ということで、ヨーロッパ室内管盤が残る、ということになる。
しかしである。このベルグルンドのヨーロッパ室内管盤は、第1~3楽章が若干遅いのだ(汗)
ということで、未だにシベ6の理想的な演奏には出会っていないのであった。
ちなみに、最初に聴きこんだのがヴァンスカとベルグルンド3種なので、3については、それで当たり前と思ってしまい、その後テンポを上げる演奏を聴いて違和感を持った、というのは真相なのかもしれない。