クリュイタンスのグノー「ミレイユ」

グノー「ミレイユ」
クリュイタンス指揮 パリ音楽院管弦楽団(1954)(モノラル)
ミレイユ/ジャネット・ヴィヴァルダ
ヴァンサン/ニコライ・ゲッダ
タヴェン/クリスチャン・ゲロー
ウリアス/ミシェル・デン
ヴィンスネット/マドレーヌ・イグナル
ラモン/アンドレ・ヴェシエール
クレマンス/クリスチャン・ジャッカン
アンブロワーズマルチェロ・コルティス
渡し守/ロベール・トロピン
クリュイタンス・コレクションである。
農村の純朴な恋人同士、ミレイユとヴァンサン。しかし、親には結婚を反対され、あげくにヴァンサンは恋敵に襲われ重症を負う。回復を願う巡礼に出たミレイユは目的地のレ・サント・マリー教会に到着したものの力尽き、既に回復して追いついてきたヴァンサンの腕の中で天に召されるという悲劇。これは切ないな。
最初は成功せず、ハッピーエンドに話を変えたら成功したが、現在はグノーの初志を尊重して元のバージョンで上演されている、との事。
農村が舞台という事で、全編に漂う牧歌的雰囲気が実に良い。個人的には「ファウスト」や「ロメオとジュリエット」より好みかも。
クリュイタンスは推進力抜群で、これもけだし名演。
ゲッダも実力通りの出来だが、嬉しい発見がミレイユのジャネット・ヴィヴァルダで、寡聞ながらこの人のことを知らなかったが、いかにも娘役らしい可憐なレッジェーロで、大変素晴らしい。他にも録音が無いか調べたが、カルメンのミカエラ役ぐらいしか探せなかった。実にもったいない。