コロシアム「ヴァレンタイン組曲」(1969)+「グラス・イズ・グリーナー」(1970)

コロシアムの2ndアルバム「ヴァレンタイン組曲」がなかなか届かない話は前に書いた。注文時国内発送と確認していたつもりが、注文してみたら海外発送だった。なかなか届かないので問い合わせをしたところ、今のご時世、新型コロナの影響でかなり遅れるとの事。
どうしても聴きたいので通販サイトをまた調べたらこんなものがあった。なんとコロシアムの2ndアルバムは、イギリス盤とタイトルと収録曲が若干違うアメリカ盤があり、その2LPを1CDに収めた日本盤が発売されていた!これは買うしかない!(あとから届く分はプログレ好きの知り合いに貰ってもらう事にした)
さて、なぜイギリス盤と内容の違うアメリカ盤が存在するのかというと(日本盤の解説によると)アメリカでのデビューアルバムを1stと2ndの抜粋盤にしたために、アメリカ盤の2ndが曲が足りなくなり、その時既にボーカル&ギターのジェイムス・リザーランドが脱退していたために、新任のギタリスト、デイヴ・"クレム"・クレムソンの参加する数曲の新曲が録音され、さらに既存の曲も何曲かはギターの差し替えが行われた、ということらしい。
今でこそアルバムは全世界共通の内容で発売されるのがあたりまえだが、古くはビートルズもイギリス盤とアメリカ盤の内容が違っていたし、イタリアのP.F.M.も、世界デビュー盤はイタリア盤の1stと2ndの曲を英語で録音しなおしたものだったのを思い出す。

さて、内容で得あるが、アナログA面の曲は1stを踏襲しながらも、よりソリッドなジャズロックになり完成度も高くなっている。
そしてアナログB面の「ヴァレンタイン組曲」は、かつてザ・ナイスの3rdの邦題が「ジャズ+クラシック/ロック=ナイス」であったが、そのパワフル・ビック・バンド版とでも言いたい痛快な傑作。
プロデュースはベースのトニー・リーヴスとレーベル創設者のジェリー・ブロンとなっているが、これも解説によると「ヴァレンタイ組曲」は作曲者のデイヴ・グリーンスレイド(キーボード)とトニー・リーヴスが中心となってまとめたとの事。この二人が組んだ「グリーンスレイド」を注文した事は先日書いたが、ますます楽しみになってくる。
残念ながら、アメリカ盤2nd発表後、トニー・リーヴス脱退してしまう。
さて、アメリカ盤の方であるが「ボレロ」という曲があり、まさかラヴェルではあるまい、と思ったらそのまさかだった(笑)そういえば、1stにバッハがあったし。ここら辺が他のジャズ・ロックバンドと一線を画しているところなんだろうな。バンドのリーダーはドラムのジョン・ハイズマンだが、音楽的リーダーはデイヴ・グリーンスレイドのような気がする。サックスとキーボードによるほぼ完コピの部分が、激しいギターソロの部分をはさむ構成だが、このギターソロのも部分、実はジョン・ハイズマン激しいドラムを聴かせる部分だったりする(笑)