カール・リヒター バッハオルガン名曲集(1954)(「幻想曲とフーガト短調 BWV542」顛末記)

先日購入した、マリー=クレール・アラン J.S.バッハ:オルガン作品全集(第1回目)をちょっとづつ聴いている。

 

http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2020/06/25/050107

 

そんな中、「幻想曲とフーガト短調 BWV542」を(好きな曲ではあるが)随分久しぶりに聴いたのだが、フーガの部分に違和感を覚えた。私の頭の中にあるこのフーガのベスト・テンポより速いのだ。
慌てて、もう1枚のマリー=クレール・アランのバッハ・オルガン曲集を聴いたり、手元にある他の演奏(ヴァルヒャとか)を聴いてみたがやはり速い。
しかし、私の頭の中によりテンポの遅い演奏がある、ということはどこかで聴いているはずなのだ。しかも、かなり若いころに。
で、ようつべでできるだけ聴いてみたのだが、ヴァルヒャの古い演奏が若干遅めな以外、やはり速い。
ようつべにあがっていない演奏だとしても、私が若いころに聴いているのだから、けっこう有名どころの演奏のはずなので、あたりをつけて、演奏時間が長いものをしらみつぶしに探してみる事にした(通常11分台~13分台)
それで見つけたのが、「カール・リヒター バッハオルガン名曲集」に収録されている1954年という古い録音で、14:31という私が知る限りもっとも長い演奏時間である。カール・リヒターなら有名どころとして申し分ないし、もしかしたら忘れているだけでこの録音をアナログ時代に所有していたのかもしれない。と、さらに調べると、このCDに収録されている5曲のうち4曲が「トッカータとフーガ バッハ・オルガン・リサイタル」というCDにも収録されているのだが、このタイトルとジャケットを見て、これはアナログ時代に所有していた!という確信を持った。
とりあえず、「カール・リヒター バッハオルガン名曲集」を、お安いユーズドがあったので購入してしまった。
収録は以下のとおり

1. トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
2. 幻想曲とフーガ ト短調 BWV542
3. 前奏曲とフーガ ホ短調 BWV548
4. コラール≪目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ≫ BWV645
5. パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582

トッカータとフーガ バッハ・オルガン・リサイタル」は、上記 3.以外を収録。

で、聴いてみるとビンゴ、編集点まで記憶が蘇ってきた。初めて聴いたのがこの演奏のせいもあるが、曲をじっくり楽しむには、このテンポが適正な気がする。
このテンポ感で、他のバッハのオルガン曲も聴きたいのだが、リヒターはバッハのオルガン曲の全集とかはないようだ。まあ、指揮で忙しかったろうから、そんな暇は無かったのだろうが。