ロッチュの バッハ ヨハネ受難曲

バッハ ヨハネ受難曲
ハンス=ヨハヒム・ロッチェ指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(1975 1976)
ペーター・シュライヤー:テノール 福音史家 アリア
テオ・アダム:バス キリスト
アーリーン・オジェー:ソプラノ
ハイジ・リース:アルト
ジークフリート・ロレンツ:バリトン
アルミン・ウーデ:テノール


ヨハネ受難曲」は、メンデルスゾーンにによる復活公演、バッハの再発見、という大イベントとなった「マタイ受難曲」に比して比較的最近演奏される様になった曲である。
なので、マタイはメンゲルベルクの1939年とかフルトヴェングラーの1954年とか、通常オケ、かつロマン派色の濃い録音も残っている。
しかし、ヨハネはロマン派色の濃い録音がなかなか無い。
以前、クレンペラーで「ヨハネ受難曲」を聴きたかった、みたいな事を書いたが、ロマン派とまではいかなくても、第1曲をもっと遅いテンポの重厚な演奏で聴いてみたかったからである。
そんな中、このハンス=ヨハヒム・ロッチェ盤が名盤という話を聞いて興味を持った。東ドイツテノール歌手あがりの指揮者である。
第1曲は、徐々にテンポが上がるものの、出だしは重厚とまではいかないがのっそりしている。リヒターより切込みは激しくない。しかし、実はこんな感じの第1曲を聴きたかった!(笑)バランスも結構凝っていて、急にフルートが前面に出てきたりして油断ができない。
また、実は、若いころからヘフリーガーの声質が苦手なので、福音史家のシュライヤーもうれしい。
全体に実に抒情的でしっとりしている。これは、リヒター盤に並ぶ名盤というのも納得。個人的には僅差でロッチェ盤を採りたい。