つのだじろう「うしろの始皇帝」(2006)

つのだじろうといえば、リアルタイムで連載時に見ていた「空手バカ一代」(1971~)もインパクトがあったが、やはりリアルタイムで連載時に見ていた「恐怖新聞」(1973~)「うしろの百太郎」(1973~)が衝撃的であった。心霊やオカルトを真摯にとりあげた漫画としては、少女漫画界の山岸凉子(「ゆうれい談 」(1973))と並ぶ草分けであった。
そんなつのだじろうに「うしろの始皇帝」という作品がある事を知ったのは最近で「え?つのだじろう始皇帝?」と思ったのだが、なんとつのだじろうは元々は秦姓(始皇帝の子孫とされる弓月君応神天皇の時代に一族をひきいて渡来したのが元)だという!なので、気になっていたのをやっと入手できた。
さて、内容的にはオカルト的部分もあるものの、至極まっとうな始皇帝擁護論で「歴史は勝者が作る」という事をわかっている人にとっては、納得できる内容だと思う。
個人的には、以前ちらっと触れた「三星堆遺跡」

https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2015/07/21/043947

が絡むところが興味深かったが、その他については中国古代史に興味がある人にとっては想定内の内容で、これは本当に勝手な言い草だが、もうちょっと破天荒な内容とか、驚愕の新事実とかがあって欲しかった。