ショスタコーヴィチ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
チョン・ミョンフン指揮 バスティーユ歌劇場管弦楽団(1992)
マリア・ユーイング:カテリーナ
セルゲイ・ラーリン:セルゲイ
フィリップ・ラングリッジ:ジノーヴィ
オーゲ・ハウグランド:ボリス
クリスティーネ・チーシンスキ:アクシーニャ
ハインツ・ツェドニク:農民
クルト・モル:老囚人
以前に、オペラを制覇(勿論すべては無理だが)しようとしていた時、例えばアルバン・ベルクの「ヴォツェック」「ルル」等現代音楽は悩みながらもはずしていた。
しかしショスタコーヴィチ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」は、かのスターリンを激怒させ作曲家として失脚しかけたが、その後ソ連共産党に迎合する(ふりをした)交響曲第5番で名誉回復した、といういわくつきの作品なので、いつかは聴きたいと思っていた。
今回思い立って聴いてみようと調べたら、マリア・ユーイングが主役のものが廉価だったので購入した。
20世紀のオペラという事で、どれだけ難解なのかと覚悟して聴いてみたら、思いのほか聴きやすい。美しさ、ユーモラスさ、ドラマティックさ、まんべんなく網羅されていて、ミョンフンの透徹した音作りもあいまって、これは今まで聴かなくて損をした感じ。
ショスタコーヴィチは、ワーグナーの「ニーベルングの指環」になぞらえ、このオペラを「ラインの黄金」に位置づけ、全四部作の大作を構想していたようだが、上記の件で頓挫、実現したら、どんなことになったやら、聴いてみたかった。
ショスタコーヴィチもいずれ集め始めるような気がする・・・・