MAKE A JAZZ NOISE HERE(1991)

Frank Zappa
CD1
実はこのアルバムは"BROADWAY THE HARD WAY"(1989) "THE BEST BAND YOU NEVER HEARD IN YOUR LIFE"(1991)(例の天国への階段入り)と同じ1988年ツアーを音源としていて、"BROADWAY〜"が政治色が強い曲、"THE BEST BAND〜"が比較的ポップな曲、そしてこの"MAKE A JAZZ〜"が比較的ジャズロック色が強い曲で構成され、いわば3部作をなすものである。
CD1は、アンクルミートあたりへの先祖がえりを思わせる前衛曲やフリーフォーム、そして東洋的瞑想的ギターソロ曲で始まり、その後既存曲のビッグバンドジャズ的アレンジのメドレーが続く。"WAKA/JAWAKA"の"Big Swiffty"は中間でローエングリン第3幕への前奏曲やカルメンのハバネラ等のフレーズも出てきてびっくり、先日ローエングリンについてちょっと書いたばかりなので、またシンクロニシティだ。懐かしのジャズロックの名曲「キング・コング」はなんとテーマがレゲエアレンジで、その後はもう別曲のツービート変態ジャズ、ラストはザッパのギターソロとボーカルで締める。全てが緻密なアレンジと展開をもっており、もうこのラストツアーは円熟の極致である。CD2はいつ聴けるやら。