主人への告別(1940)

ハリイ・ベイツ
創元SF文庫「地球の静止する日」収録
日本独自のアンソロジーで、これまであまり邦訳がなかった「映画の原作になったSF」作品集である。詳しい内容はこちら。
ttp://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?goods_id=348
で、この作品がなんとあの名作「地球の静止する日」(1951)の原作である。原作があることも知らなかった。解説によると、始めに企画ありきで、それから企画にあった原作をさがした、ということで、内容的には「宇宙人とロボットが宇宙船にのって現れる」以外はほとんど共通点が無い。当時のハリウッドの手腕はたいしたものだ。しかし、この原作は原作で大変面白い。「録音された音声によるクローンのような複製の作成」というのは、当時としてはかなり斬新なアイデアではないだろうか。「最後のロボットのセリフ」はSF史上に残る名ゼリフだと思う。実は長年、このセリフは映画のラストかと思い込んでいた。ということは、この小説を紹介した記事を、映画と取り違えて記憶していたのだろうか。
ちなみに恥ずかしながら他の作品はよく知らない。小説もとりあえずこれだけ読んだ。