ブルックナー 交響曲第2番

ヤング指揮 ハンブルクフィルハーモニア管弦楽団(2006)
以前、ヤングのブルックナーシリーズが「よりによって2番からというのもすごい話だ」と書いたが(こちら)理由があったようだ。
2005年に初めて出版された、1872年稿という、正真正銘の第1稿の演奏だったのだ。
ちなみにインバルは、1877年稿(一般には第2稿)である。
スケルツォとアダージョの入れ替えをはじめ、細かい違いが結構ある。はっきり言って第1稿はギクシャク感がある。しかし、作曲技法のつたなさから来るギクシャクさではなく、自分はこういう風に表現したいのだという自信にあふれたギクシャク感だ。これに比べると、第2項の流麗さは、単なる世間への妥協に過ぎないような気がしてくる。荒々しいダイナミズムも魅力だし、アダージョは後期並みの深さを感じさせる。
うーんいいなこの第1稿は。
ちなみにヤングはブルックナー全集を録音するものだとばかり思っていたが、2,3、4と来て、第8の第1稿で終わりのようだ。他も聴いてみたかったんだがなあ・・・残念。