シューリヒト指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1938)
シューリヒトのブル7は現在以下の音源が存在する。
1.ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1938)
2.シュトゥットガルト放送交響楽団(1953)
3.デンマーク放送交響楽団(1954)
4.北ドイツ放送交響楽団(1954)
5.ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団(1964)(オフィシャル)
2.4.5.については既に言及している。3.は未聴だが、近々入手の予定。
で、今回の1.であるが、1938年なので音質的には期待できないが、実は5種の中ではオケが一番なのだった。(なんでウィーン・フィルとブル7を残さなかったかなあ〜)
気になる音質は、思ったほど悪くなく、海賊盤の上といったところ。テンポはシューリヒトにしては遅めだった北ドイツ放送交響楽団盤と比して、第1楽章こそほぼ同じだが他の楽章はさらに遅い。
そしてなんと見事な演奏だろうか。流麗とは正にこういうことを言うのではないか。音楽が終始つながっているようなこんな演奏はそうあるものではない。また、ベルリン・フィルのアンサンブルも完璧と言っていい。
北ドイツ放送交響楽団盤の時、演奏と音質の若干の傷がなければ歴代トップにしても良かったと書いたが、この演奏こそ、音質の問題さえなければ、シューリヒトの今までの演奏のみならず、歴代トップにしてもいい演奏である。
しかし上記3.のデンマーク放送交響楽団盤も名演らしい・・・・こまったこまった。