スライ&ザ・ファミリー・ストーン「グレイテスト・ヒッツ」"Greatest Hits"(1970)

このアルバムはベスト盤だから通常であればスルーしてもいいのだが、シングルから収録されている曲が、例の5cd box のボーナストラックともかぶらないし、かなりの重要曲であるとのネット情報があったので聴く。ちなみにシングルから3曲、2ndから1曲、3rdから3曲4thから4曲収録されている。ヒットした2ndより、ヒットしなかた3rdからの曲が多いのも、実は3rdのほうが本来のスライのやりたいことだったという証明であろう。
さて、そのシングル曲であるが「エブリボディ・イズ・ア・スター」" Everybody Is A Star"は、スローテンポでストーン三兄妹が順番に歌い上げる彼らにしては珍しい曲調。「ホット・ファン・イン・ザ・サマータイム」"Hot Fun In The Summertime"は、これまたストリングスを加えたロッカバラードでこれも珍しい。
びっくりしたのが「サンキュー」"Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)"で、1960年代とは思えないぐらいの時代先取りのファンク・ナンバーで、ネットでこの1曲のためだけにこのアルバムを買うべし、という意見があったがむべなるかな。
気になるのがこの曲、スティーヴィー・ワンダーの「迷信」によく似ている。「迷信」が1972年だからこれは絶対影響を受けていると思う。
ここで腑に落ちたのが、実は様々なジャンルをソウルに融合させたやり方は、まさにプレ・スティーヴィー・ワンダーであったのだという事。スライは本当に天才だったのだな。