ラミンの バッハ 「ヨハネ受難曲」

バッハ 「ヨハネ受難曲
ギュンター・ラミン指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(1954)
エルンスト・ヘフリガー:テノール(福音史家)
カール・ケルヒ:バス(イエス)
アグネス・ギーベル:ソプラノ
マルガ・ヘフゲン:アルト
ハンス=オラフ・フーデマン:バス
ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団

というわけで
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2017/01/29/063833
ギュンター・ラミンの「ヨハネ受難曲」である。モノラルであるが1954年ということでモノラル末期なので音は大変良い。モノラルだということが気にならないくらいだ。
例の第1曲は、今まで聴いた中で一番遅い。わくわく(笑)
リヒター盤が悲壮感であり、ロッチュ盤がしっとりとした抒情性であるならば、この演奏を一言で表わすと(演奏に使う言葉ではないかもしれないが)「輝かしい」であろうか。なんか、ヨハネ受難曲で、今まではずれがないな。

「銀河鉄道の夜」の話

先日のテレビで、オリラジの中田敦彦が、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の解説をしていたのを見た。
なんか違和感があるな、と調べたら「銀河鉄道の夜」は第4次稿まであり、私が読んだのは「ブルカニロ博士」が登場する第3次稿だったようだ。
そうなると、全ての稿を確認したくなってくる。ちくま文庫の全集第7巻がすべてを収録との事なので、改めて読んでみようかな。

ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団 バッハ名唱集(8CD)

ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団 バッハ名唱集(8CD)
バッハの「ヨハネ受難曲」をいろいろ探していて(主にモダン楽器の歴史的録音)超廉価のセットを見つけてしまった。
収録されているのは
マタイ受難曲」ギュンター・ラミン指揮(1941)
ヨハネ受難曲」ギュンター・ラミン指揮(1954)
モテット集 ギュンター・ラミン指揮(1951 1954 1955)
カンタータ集 クルト・トーマス指揮(1959)
「マニフィカト」ギュンター・ラミン指揮(1944)
オケはすべてライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
マタイ受難曲」は第2次世界大戦中、つまり未だライプチヒ東ドイツになる前、さらにエヴァンゲリストがカール・エルブ、つまり、かのメンゲルベルク盤(1939)のエヴァンゲリストなのだ!これは興味深々。
「マニフィカト」も聴いてみたかったし、これは買いであろう。
他にも「ヨハネ受難曲」を注文しているが、海外からなのでしばらくかかるので、それまではこのセットを聴いていくかな。
ちなみにギュンター・ラミンは、オルガニスト兼指揮者、ドイツ・オルガン運動の唱道者で、カール・リヒターの師匠にあたる。
ドイツ・オルガン運動とは

20世紀初頭,古楽復興の動きの中で,バロック・オルガンの再興をめざすドイツ・オルガン運動

というネット情報があった。

ギュンター・ラミン、クルト・トーマス共に、トーマスカントル(ライプツィヒ聖トーマス教会の音楽監督)だったとのこと。(ラミン 1940~1956 トーマス 1957~1961)

ロッチュの バッハ ヨハネ受難曲

バッハ ヨハネ受難曲
ハンス=ヨハヒム・ロッチェ指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(1975 1976)
ペーター・シュライヤー:テノール 福音史家 アリア
テオ・アダム:バス キリスト
アーリーン・オジェー:ソプラノ
ハイジ・リース:アルト
ジークフリート・ロレンツ:バリトン
アルミン・ウーデ:テノール


ヨハネ受難曲」は、メンデルスゾーンにによる復活公演、バッハの再発見、という大イベントとなった「マタイ受難曲」に比して比較的最近演奏される様になった曲である。
なので、マタイはメンゲルベルクの1939年とかフルトヴェングラーの1954年とか、通常オケ、かつロマン派色の濃い録音も残っている。
しかし、ヨハネはロマン派色の濃い録音がなかなか無い。
以前、クレンペラーで「ヨハネ受難曲」を聴きたかった、みたいな事を書いたが、ロマン派とまではいかなくても、第1曲をもっと遅いテンポの重厚な演奏で聴いてみたかったからである。
そんな中、このハンス=ヨハヒム・ロッチェ盤が名盤という話を聞いて興味を持った。東ドイツテノール歌手あがりの指揮者である。
第1曲は、徐々にテンポが上がるものの、出だしは重厚とまではいかないがのっそりしている。リヒターより切込みは激しくない。しかし、実はこんな感じの第1曲を聴きたかった!(笑)バランスも結構凝っていて、急にフルートが前面に出てきたりして油断ができない。
また、実は、若いころからヘフリーガーの声質が苦手なので、福音史家のシュライヤーもうれしい。
全体に実に抒情的でしっとりしている。これは、リヒター盤に並ぶ名盤というのも納得。個人的には僅差でロッチェ盤を採りたい。

ヨハネ受難曲 第1曲「主よ、われらを治めたまう主よ」について

ヨハネ受難曲(第4稿)第1曲について、こんな事を書いたのだが

http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2017/01/18/050816
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2017/01/19/045655

要は、この曲を初めてリヒター盤で聴いたときびっくりした「伴奏の同一音型」が、ブリュッヘン盤ではかすかにしか聴こえなくてまたびっくりした、という話なのだが。
これは、モダン楽器と古楽器の違いなのか、単に二人の解釈の違いなのかは、この時点ではわからなかったので、ようつべでいろいろな指揮者でこの曲を聴いてみた。
ダン楽器はリヒターしか見つからなかったのですべて古楽器による演奏だったが、ちゃんと同一音型は聴こえた。
つまりは、古楽器だから聴こえないのではなく、ブリュッヘンが他と違う解釈だったことがわかった。
この音型に対する解釈が両極端な演奏を、偶然とはいえ最初に聴けて、実に運がよかった。

ヘレヴェッヘのバッハ「ヨハネ受難曲」(第2稿)

バッハ「ヨハネ受難曲」(第2稿)
ヘレヴェッヘ指揮 コレギウム・ヴォカーレ・ゲント(2001)
マーク・パドモアテノール(福音史家)
ミヒャエル・フォッレ:バス(イエス)
シビッラ・ルーベンス:ソプラノ
アンドレアス・ショル:カウンター・テナー
バスティアン・ノアック:バス

バッハの「ヨハネ受難曲」について調べ始めたのは恥ずかしながら最近なのだが(マタイは20歳前後からお馴染だったのに)全部で4つの版が残されている事は知らなかった。(通常は最後の第4稿で演奏される)
そして第1稿、第3稿は第4稿と大きな違いはないが、第2稿のみ大きな違いがある(第1曲の合唱が別曲等)とのことで、それは是非とも聴いてみたい。
都合良くヘレヴェッヘの新盤が第2稿使用との事で購入した。

その第1曲を聴いてびっくり(ヨハネは毎回1曲目でびっくりする)これはマタイの第1部の終曲ではないか!
他にも何曲か差し替えのある模様。差し替えられた曲からくる印象か、全体に随分明るく感じる。
ミサ曲ロ短調クレンペラーヘレヴェッヘで満足したのだが、ヨハネはまだまだいろいろと聴いてみたくなるし、若いころのマタイのようにヘビロテになる予感。