スライ&ザ・ファミリー・ストーン「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」"ADance to the Music"(1968)

シングル曲「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」の大ヒットを受けて作成されたスライ&ザ・ファミリー・ストーンの2ndアルバムである。1stについて「良質なポップ・ソウル」と書いたが、実際は実にヴァラエティに富んでおり、曲の凝り方や完成度は高かった。
このアルバムは曲の凝り方は受け継いでいるが、トップの「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」から最後まで、徹頭徹尾、それこそ「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」に徹したアルバムである。(わずかにラスト曲に前作の片鱗が見えるが)
圧巻なのは12分を越える「ダンス・トゥ・ザ・メドレー(ミュージック・イズ・アライヴ、ダンス・イン、ミュージック・ラヴァー)」で、ウッドストックでは「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」~「ミュージック・ラヴァー」のメドレー、プラス「アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイヤー」であったが、その雰囲気がここでも味わえる。
ウッドストックの「ミュージック・ラヴァー」では、「アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイヤー」「ハイヤー」という観客との掛け合いがあったが、この部分はライブ用に足したものかと思っていたが、ちゃんとオリジナルの「ミュージック・ラヴァー」でも「アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイヤー」の部分があった。
この部分がよほど気に入ったか、観客に受けたのか、独立させて別曲「アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイヤー」が誕生したのだな。
びっくりしたのが、ボーナストラックで聞き覚えのあるフレーズが聴こえて来たことで、個人的にはブルース・ブラザーズがコンサートのイントロで使用していた事で知ったオーティス・レディングの「アイ・キャント・ターン・ユー・ルース」で、スライ版はシングル発売のみ、ベストにも収録されていないので、今回ボーナス・トラック付きで本当によかった。

スライ&ザ・ファミリー・ストーン「新しい世界」"A Whole New Thing"(1967)(と、マーラー)

始めは、ウッドストックのライブしか知らないのでスタジオ録音を聴いてみたい、という軽い気持ちだったのが、図らずも1枚目から聴くことになったスライ&ザ・ファミリー・ストーンであるが

https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2022/01/04/081905

この1枚目は、ホーンセクション付きの良質なポップ・ソウルではあるものの、このバンドでなくてはならない、という個性や、ロックとの融合によるあの圧倒的なグルーヴは未だない。
ウィキペディアによると、このアルバムは評価はされたがヒットしなかったために、レコード会社から

「もっとポップな曲を」と要求されたため、渋々出したシングルが1968年2月の「Dance to the Music」だった。

とある。そしてこの曲のヒットで一躍スターバンドの仲間入りを果たすわけだが「渋々」というのが本当であるなら、この後のスター街道も不本意だったんだろうか?もしそうなら、後にスライが麻薬に溺れたりとか、コンサートの遅刻、キャンセル騒ぎも、そんな背景があったんだろうか、等と思ったりする。
ちなみに1曲目の「アンダードッグ 」のイントロとエンディングが、以前マーラーの時に書いた、第1交響曲の第3楽章と同様の事をしており

https://hakuasin.hatenablog.com/entry/20080621/p1

やはり、短調に転調させている。

ウィキペディアでは

「アンダードッグ」のイントロは「フレール・ジャック」をアレンジしたファンファーレとなっている[

とある。
スライがマーラーを知らなくて、偶然同じように短調にしたのか、マーラーを知っていたので同様に短調にしたのか。
スライは(やはりウィキペディアで)

高校を卒業してから地元のコミュニティカレッジに進み、音楽理論を学ぶ。

とあるので、その時にマーラーを聴いたのかも、なんて想像すると楽しい。

youtu.be

 

 

 

 

 

地方番組にクリープハイプの曲が

録画していた昨夜の地方バラエティ「夢はここから深夜放送 ラッキー」を見ていたら、絶対に聴き間違えようの無い(笑)クリープハイプの尾崎さんのハイトーンヴォイスが聴こえてきた。
「ただそばにいて~」の歌詞から「ただ」という曲とわかった。この日の番組のテーマが「ただ(無料)」であった。なーるほど。スタッフにクリープハイプのファンがいるのかな。

私の「スライ&ザ・ファミリー・ストーン」顛末記

以前「スライ&ザ・ファミリー・ストーンをちゃんと聴きたくなったなあ。」と書いたが

https://hakuasin.hatenablog.com/entry/2021/10/29/074356

上記で書いた、アンディ・ニューマークが初参加した「フレッシュ」(1973)が、渋谷陽一の「レコード・ブック」に載っていたのを覚えていたので、これと、それ以前のベストをまず買おうかと思った。
しかし、ウッドストックで演奏した曲のスタジオ・バージョンを聴きたいと思ったのだが、そのベストでは曲が足りなかったので「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」(1968)と「フレッシュ」を注文した。
しかし、「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」を聴いて唖然とした。「ハイヤー」とあったので、てっきりウッドストックの曲かと思ったら、ウッドストックの方は「アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイヤー」で、別曲なのだった(汗)しかもシングル曲。
慌ててベストを注文しなおしたのだが、なんと「フレッシュ」以前の5枚(それもボーナストラック付き)セットが非常に廉価で出ていたを発見してしまった・・・・
悩みに悩んだ末、「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」がかぶるのを承知でこちらも注文してしまった・・・・何をやっているのだ(笑)

 

勝地涼の加藤茶(と「ドリフ大爆笑」のオープニング)

昨夜の「志村けんとドリフの大爆笑物語」であるが、階段落ちコントの勝地涼が、加藤茶が憑依したんじゃないかというぐらい凄かった。
1点だけわがままを言わせてもらうと、「ドリフ大爆笑」のオープニングは何パターンかあって、その中で、志村けんがチアガールのポンポンが顔にぶつかった(もしくはそのテイで)最後にチアガールの頭を張り倒す、というバージョンあったが、今回のドラマでもそのバージョンを再現してほしかった。

キング・クリムゾン「レディース・オブ・ザ・ロード」の帯

「レディース・オブ・ザ・ロード」というのは、いわゆるアイランズ期のキング・クリムゾンのライブ音源のコンピレーション・アルバムで、このブログでも時折触れた"The Collectors' King Crimson"シリーズでいくつも発表されていた音源から選択したものがCD1、「21世紀の精神正常者」のインスト部分を延々つなげて50分以上に編集した「スキッツォイド・メン」がCD2に収録されていた。
久々に聴いてみようと思ったら、その帯に

CD2を全部を使ったクリムゾン版「ビッチェズ・ブリュー」ともいえる「スキッツォイド・メン」


と書かれていた!
以前、マイルス・デイヴィスの"Bitches Brew"について(2006年に)

もっとファンクになれば「アガルタ」になるし、ロックになれば、なんとクリムゾンの「アースバウンド」あたりになる。

と書いたことがある。(「アースバウンド」はアイランズ期のライブ)

https://hakuasin.hatenablog.com/entry/20060712/p1

「レディース・オブ・ザ・ロード」を買ったのは、たぶん発売直後の2002年で、その頃は、マイルス・デイヴィスの"Bitches Brew"も知らない頃だったから、帯を見てもピンと来ていなかったか、ちゃんと見ていなかった可能性がある。

しかし、この帯を書いた人と意見が一致したのだ、と思うとなんか嬉しい。